貴社の事業内容についてお聞かせください。
(Kさま) 当社は、通信インフラに強みを持つ総合建設業、いわゆる「ゼネコン」に分類される企業です。1950年代、NTT関連施設の建設を目的に設立されて以来、約70年にわたり、通信設備分野を中核に事業を展開してまいりました。
現在では、マンションや集合住宅などの建築工事に加え、工場・倉庫・道路関連などの土木工事まで、多様なニーズに応える総合力を有しています。全国6支店・10数カ所の営業所を拠点に、全国対応が可能な体制を整えており、中堅ゼネコンとして安定した実績を重ねています。
特にNTT関連工事では、既存の通信設備が稼働中のまま改修を行う高度な技術が求められるため、当社では安全性・セキュリティ面で業界トップクラスの基準に応える体制を構築。高リスク環境下での施工経験が豊富である点が、他社にはない大きな強みとなっています。
担当者様が所属されている部署のミッションを教えてください。
(Kさま) 私どもは「経営企画部」の中にある「IT推進室」という部署に所属しており、業務内容としては、一般的に「情報システム部門」と呼ばれる領域に近い役割を担っています。
具体的には、社内ITインフラの整備・運用を中心に、端末・ネットワーク・サーバーといった環境の構築・管理に加え、全社共通の基幹システムやグループウェアの導入・運用、情報セキュリティなどを担当しています。
私たちのミッションは、こうしたIT基盤の整備を通じて、他部署が本来の業務をより効率的かつ生産的に遂行できるよう支えることにあります。
建設業としての本業では、BIM(Building Information Modeling)やCADといった設計・施工支援ツール、また現場向けの専用システムなども活用されていますが、それらの運用は別の専門部署が担っています。ただし、それらのシステムを安定して稼働させるためには、ネットワークや端末、セキュリティを含むITインフラの整備が不可欠ですので、当室がその基盤部分を担っている形です。
パスワード管理の不安とSaaSの急増。
クラウド移行で浮き彫りになった課題
導入に至った背景を教えてください。
(Kさま) もともと、社内のパスワード管理に対しては不安を感じていました。セキュリティ教育やルール整備など社内でも取り組みは行っていたものの、最終的には社員一人ひとりの注意に依存する部分が大きく、限界を感じていたのが正直なところです。
加えて、本業である工事業務を含めて、日々の業務で利用するシステムやSaaS(クラウドサービス)の数が急速に増加し、ID・パスワードの管理負担も年々大きくなっていました。その結果として、同一パスワードの使い回しや、ブラウザへの保存といった、望ましくない運用が徐々に増えてしまう傾向がありました。
こうした背景のなかで、従来オンプレミス環境で社内VPN経由のみで利用していたグループウェアをクラウド型へ移行する必要性が生じたことが大きな転機となりました。クラウド化により、外出先や現場からも柔軟にアクセスできるようになるという大きな利便性を得られる一方で、それに伴うセキュリティリスクの高まりに対して、しっかりと対策を講じる必要性が生まれました。
ちょうどこのタイミングで、利便性とセキュリティを両立できる仕組みを検討する中で出会ったのが「IDaaS(Identity as a Service)」でした。
GMOトラスト・ログインは、シングルサインオン(SSO)機能によりユーザーの利便性を高めつつ、多要素認証やアクセス制御などセキュリティレベルも向上できる点が魅力で、「これはまさに今の課題を解決できるのでは」と考え、導入を決めました。
まさに、“利便性とセキュリティを両立できる”という意味で一石二鳥のソリューションだったと思います。
トラスト・ログインを選ばれた理由は何ですか。
(Mさま) 導入の決め手となった要因は、大きく3つあります。
1つ目は、対応しているSaas等サービスの豊富さや導入実績の多さです。多くの企業で使われているという安心感がありました。
2つ目は、コストパフォーマンスの高さです。他社と比較した際に、基本機能が標準で備わっているにもかかわらず、1IDあたりの月額費用が抑えられている点が魅力的でした。他サービスでは、二段階認証などのセキュリティ機能がオプション扱いで追加費用が発生したり、逆に機能が多すぎて基本料金が高くなっていたりと、なかなかちょうどよいサービスが見つかりづらかったのですが、トラスト・ログインはそのバランスが非常に良かったと感じています。
3つ目は、営業担当の方の対応の丁寧さ・熱意です。これは非常に大きなポイントだったと思います。導入前の段階から、こちらの疑問や要望に丁寧に対応していただき、無料トライアルで事前に実際の使用感を検証できたことも、導入への安心感につながりました。他社でもトライアルは可能だったのですが、貴社では単に「使ってみてください」というスタンスではなく、導入までの過程をしっかり伴走してくれる姿勢がとても印象的でした。
やはり、サービスがあっても「使いこなせるかどうか」が重要です。導入を成功させるには、サポート体制や提案力が欠かせません。その意味でも、導入前からのきめ細やかなサポートが最終的な決め手となったと思います。