シングルサインオンの対象拡大へ。
現場主導の運用を見据えた展開構想
今後の活用の展開についておしえてください。
(Mさま) 今後の活用については、すでにトラスト・ログインの担当者の方とも継続的にお話をさせていただいていますが、特に期待しているのが「カスタム権限設定」のような機能の実装です。
現在、社内では各部署で導入・運用している独自の業務ツールが多数存在しています。これらは、IT推進室が直接管理していないものも多く、利用ユーザーの管理やID発行までを私たちが一括で担うのは難しい状況です。しかし、セキュリティを担保するためには、全体として一元的にログイン管理を行う必要があるというジレンマがありました。
もし、トラスト・ログイン上で部署ごとに権限を分けて管理操作を委譲できるような仕組みが整えば、各部署の独自ツールもシングルサインオン環境に統合できるようになります。これにより、IT推進室としての管理負荷を増やすことなく、全社的なセキュリティレベルを維持したまま、対象範囲を拡大することが可能になると考えています。
(Kさま) たとえば、建設現場で使用されているBIM、CAD、工程管理、安全管理系のクラウドツールなどは、部署ごとに利用目的やユーザーが異なります。そのため、誰にどのツールを、どのように使わせるかといった細かい運用までは私たちが把握しきれない部分もあります。今後、部署ごとに権限を委譲し、ツールの登録やIDの払い出しを行ってもらえるようになれば、より実態に即した運用が可能になるはずです。
現時点では、全社員が共通で利用するグループウェアやコミュニケーションツール(例:Teams)など、IT推進室が直接管理しているサービスを中心にトラスト・ログインを活用している状況です。しかし、今後の展開としては、こうした部署主導のツールにも活用範囲を広げていきたいと考えています。
最初の導入時から「将来的にはSSOで使える対象を増やしたい」と考えていたものの、実際の運用としてはまず共通ツールからの展開になりました。今後このような機能拡張が実現すれば、その次のステップとして全社的な活用に向けて、より大きな一歩が踏み出せると期待しています。